試用期間中の解雇
Q1 . 新たに採用した試用期間中の従業員の仕事ぶりを見てきたが、会社の期待するような仕事ぶりからは程遠く、さらには他の従業員とトラブルをおこすなど従業員からの不満も多いのです。
問題が深刻になる前に退職してもらおうと思うのですが、どうしたらいいでしょうか?
よく見かける就業規則
新たに採用した者は、採用の日から3カ月間を試用期間とする。
この試用期間中に従業員として不適格とみとめられた者については、解雇することがある。(採用を取り消すことがある)
A. 1)「試用期間」について
ほとんどの会社において、新規に採用した従業員の勤務態度や職務に対する取り組み姿勢、仕事への適格性等を見極めするために「試用期間を設けています。
試用期間はどの程度がいいのかというご質問をよく受けますが、法律上においては決まりがありません。
したがって、会社独自の考え方に沿って決定してもよいことになっています。
3ヵ月程度の試用期間をとる例が最も多いと思われますが、1カ月~6カ月の範囲くらいで決めるのが妥当なところでしょう。
あまり試用期間が長いのは「公序良俗に反する」という判例(ブラザー工業事件 名古屋地裁S59.3.23)が示されています。
ブラザー工業は当時、入社後6ヶ月を見習い社員期間、その後さらに6ヶ月~12ヶ月の試用期間を設けていました。
この事件では、裁判所として試用期間」中の労働者は不安定な地位に置かれるものであり、見習社員の期間の上にさらに試用期間を設け、結果1年以上労働者は安定した立場にはならないという趣旨で会社側が敗訴となりました。
A.2)試用期間中でも解雇予告は必要!!
試用期間中に従業員は自由に解雇できると勘違いしている経営者の方がいらっしゃいます。
そこまでの勘違いではなくても、解雇の予告や解雇予告手当は支払わなくても大丈夫と思っていませんか?
労働基準法第20条では、従業員を解雇しようとする場合には、少なくとも30日以上前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払わなくてはならないことになっています。
解雇予告を行なわずに解雇できる者の中には試用期間中の者がありますが、雇い入れから14日を超えて引き続き使用されている場合には、解雇予告又は解雇予告手当の支払いが必要になります。
たとえ、就業規則に試用期間中の者には解雇予告手当を支払わない旨の規定をしたとしても、これは労働基準法違反になりますから、無効になってしまいます。
A.3)試用期間の延長も検討する
試用期間の規定には、期間を短縮する規定はされていますが、延長する規定が載っているものはほとんど見かけません。
一定の期間で従業員の職務遂行能力等が見極められない場合には、試用期間を延長することも必要です。
また、会社側が厳格に見極めをしていることがわかりますので、モラルの向上にも役立ちます。
![]() |




