名ばかり管理職について
実質的にはほとんど権限を与えられていないにもかかわらず、「店長」「課長代理」などといった肩書きだけの名前をつけて管理職として取り扱われる、いわゆる「名ばかり管理職」の問題が盛んに報道されています。そもそもこの問題は、労働基準法における管理職の定義のあいまいさに端を発しています。
労働基準法第41条第2号において、「管理監督者」は休憩および休日に関する規定の適用を除外するとされています。
法律制定の際の想定は、時間的制約に縛られると支障が出る高い地位の管理役職のために規定されたものです。
ところがこの管理監督者の定義を拡大解釈し、広範囲の労働者に対して「管理監督者」と位置づけ、作為的に残業代や休日出勤手当などを支払わない、「法律違反」のケースが増加しているのです。
事実、残業・休日出勤などの長時間労働を強いられた挙句に、勤務時間に比べて低い賃金で働かされている実態が、コンビニ、ファーストフードチェーン、小売業等で明らかになり、未払い賃金を求めて訴訟にまで発展しています。
経営者の中には、人件費の削減に力を入れるあまりに、結果論としてこのような「名ばかり管理職」を作ってしまったのかもしれません。
しかし、報道されているのはほとんどがチェーン店を持つ大企業の話であり、中小企業には関係ないと思われがちなのは大きな間違いです。
今の時代会社にとって最も怖いのは、監督署でも、警察でもありません。
従業員の内部告発です。
時代の流れとともに、従業員の会社に対する意識は変化しています。
ある日突然、従業員から会社が訴えられて窮地に陥る、そんなことが日常化してきているのです。
平成20年4月に厚生労働省は「管理監督者の範囲の適正化について」という以下の内容の通達を都道府県の労働基準監督署に示しました。
| 1. | 従来の管理監督者の解釈に変更がないこと |
| 2. | 労働基準監督機関として、労基法上の管理監督者の趣旨、解釈が正しく理解されるよう十分な周知を行なう |
| 3. | 管理監督者についての相談があった場合、「管理職≠管理監督者」であることを明らかにした上で趣旨、解釈を十分周知すること |
| 4. | 管理監督者の取り扱いに問題が認められる恐れのある事案については、適切な監督指導を実施すること |
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